コーヒーはフィルターを通した方が、心臓発作などを起こすリスクが15%も減る。

私たちが、日常的に飲んでいるコーヒーですが、心筋梗塞などのリスクが潜んでるとも言われます。最近の研究結果でコーヒーはフィルターを通して飲む方が、フィルター無しやコーヒーを飲まないよりも、心臓発作を起こすリスクを15%も低減できることが判明しました。その研究内容とリスクに関する説明やをご紹介いたします。

オリーブオイル

今まで知られているコーヒーの効果

コーヒーと聞くと、真っ先に思いつくのが「カフェイン」ですが、実は、カフェインよりもっと豊富に含まれている成分があります。それは、ポリフェノール(コロロゲル酸)です。コーヒーに含まれるポリフェノールは、100gあたり赤ワインの230mgについで、200mg含まれていると言われています。(ちなみにココアは62mgと言われています。)その他には、トリゴネリン、カフェストールや、カーウェオールという要素が含まれています。

^

老化の原因となる活性酸素を抑制する

老化の原因であり、生活習慣病やガンを引き起こす可能性があるとも言われているものに「活性酸素」というものがあります。 活性酸素は身体の健康に悪い影響を及ぼしますが、コーヒーに含まれている「抗酸化物質」はこの活性酸素を打ち消すと言われています。活性酸素というのは酸素がほんの少し変化した物質ですが、酸化力が強く、体内の細胞や組織等を酸化して錆びさせてしまい、私たちの体にダメージを与えてしまいます。

この活性酸素は生活習慣病やガンを引き起こす可能性が高いとも言われますが、この活性酸素はシミやしわの素でもあります。抗酸化物質を取ることにより、このシミやしわなどの老化を抑えることにもなります。

^

脂肪燃焼を高める

また、カフェインの次に高く含まれているのは、クロロゲン酸ですが、このクロロゲン酸はミトコンドリア(脂肪を燃焼させてエネルギーに変換してくれる)を運ぶ酵素を活性化させる働きがあります。脂質の消費を促進して体脂肪を低減させることができるのです。また、カフェインは自律神経に働きかけて、エネルギー消費を高めてくれます。具体的には体内の新陳代謝を310%促進させる働きがあるので、運動する20分~30分前にコーヒーを飲むことにより、血中の脂肪酸濃度が上昇させることで、脂肪を燃焼しやすくなります。

また、カフェインは脂肪の分解を促進する酵素「リパーゼ」を活性化する作用があり、ダイエット効果が出るとも言われます。

^

認知症の発症

日本では、認知症の種類のうちおよそ7割がアルツハイマー型認知症を発症すると言われています。脳細胞につくられる「老人斑」(ろうじんはん)という神経細胞のなかにある、アミロイドβタンパク質が凝集して毒性をもったものが、神経細胞を変性し、特に記憶や学習の障害を引き起こす成分であると言われます。この成分が蓄積されることにより、認知症を発症する原因と考えられています。

研究が進行すると、コーヒーの成分のうち、焙煎される過程が長ければ長いほど効果が現れることから、焙煎される熱で増える「ピロカテコール」という成分が、アミロイドβタンパク質を切り出す酵素のβセクレターゼが減らすことがわかりました。「ピロカテコール」化学物質の分類としては「劇物」に相当されますが、コーヒーに含まれているピロカテコールの量はとても少ないので毒性は出ずに、身体にはいい効果が出ると言われます。

^

リラクゼーション効果

コーヒーのもつ芳醇な香り、適度な苦味と酸味には、脳から出るα波が増加させ自律神経を安定させ気持ちを落ち着かせる効果が出てくると言われています。一部の研究では、コーヒー、 レモン油などの香りを嗅いだ時にどの香りが最も脳をリラックスさせるのか調べた実験ではコーヒーが最もリラックスできる状態になったと言われます。

^

胃の動きを活発にしてくれる

コーヒーを飲むと胃壁は刺激されて、消化液が分泌されることになります。消化液が分泌されることで食物消化と栄養吸収を手助けしてくれます。消化を助けるために、食後に召し上がる分には良いかもしれませんが、朝食前に召し上がると、胃潰瘍や胃炎を引き起こす可能性もあるので、ご注意ください。

^

おまけ

コーヒーにはダイエットやリラクゼーションの効果だけではなく、たくさんお酒を飲んだ時の二日酔いの解消にもカフェインがアルコール(アセトアルデヒド)を分解する作用があると言われています。

2020年の研究結果:コーヒーはフィルターを通した方が、心臓発作を起こすリスクを低減できる

先日(2020424日)CNNのトピックにも上がりましたが、スウェーデンのイエーテボリ大学で公衆衛生などを研究するダーグ·テレ主任教授が発表した論文でコーヒーを淹れる時に、フィルターを利用すると血中コレステロールを高める物質を除去されるため、心臓発作を起こすリスクが低くなると発表されました。ダーグ·テレ教授は30年ほど前に、コーヒーと、総コレステロール値おとび悪玉(LDL)コレステロール値の上昇に関連性を見いだしました。一般的には、悪玉コレステロールは心疾患のリスクを上げるものといわれています。教授はコーヒーに含まれる「コレステロール値を上げる物質」が、血中脂質を高めるカーウェオールとカフェストールであると特定し、さらにコーヒーフィルターによってこれら物質を除去できることを突き止めました。フィルターを通さずにいれたコーヒーは、これらの物質の濃度が30倍も高いということです。

研究の対象

ダーグ・テレ(Dag S. Thelle)主任教授は、健康なノルウェーの男女508,747名、対象者の年齢は20歳から79歳を対象に1985年から2003年までの約20年間追跡調査して行った調査結果を元に分析されたもようです。

研究結果

研究結果は、フィルターを使っていれたコーヒーを飲んでいた人は、コーヒーを全く飲んでいなかった人に比べて全体的な死亡リスクが15%低いことが判明しました。また、心血管系の疾患による死亡率に限定すると、フィルターを使って入れたコーヒーを飲んでいた人は、男性で12%、女性で20%死亡リスクが低かったと言われます。

フィルターを使わずに作られたコーヒーを飲んでいた60歳以上の男性には、心臓や血管に起因する死亡リスクの増加が見られと言われます。その一方で、ペーパーフィルターなどを使い濾過したコーヒーを飲んでいた人は、まったくコーヒーを飲まない人よりも健康状態が良好という結果が出ました。また、飲む量に関しても差があり、フィルターを使ったコーヒーを1日にカップ1~4杯飲んだ人たちが最も死亡リスクが低かったと言われます。

2023年度8月に配信されたハーバード・ヘルス・パブリッシングのコラム

以前の配信から昨年に入って若干アップデートできる記事を見つけたので、参考までに追加しました。要点としては下記です。

  • コーヒーの適度な摂取(1日3〜4杯)は、ほとんどの人にとって安全で、心臓の健康に良い影響を与える可能性があります。
  • コーヒーには抗酸化物質や心臓病から保護する可能性のある化合物が含まれています。
  • 過剰なコーヒー摂取は、特に敏感な人々に対して心拍数や血圧の上昇などの悪影響を引き起こすことがあります。

コーヒーの飲む量と心臓などに与える影響についての記事のようです。

ハーバード・ヘルス・パブリッシング:Does coffee help or harm your heart?

フィルター・ノンフィルターのコーヒーの淹れ方の違い

^

フィルターを通したコーヒー:

基本的にはドリップコーヒーのことを指します。コーヒーがお湯に浸して、最終的にフィルターシートを通して作られたコーヒーのことを指します。

^

ノンフィルターのコーヒー:

使用されているコーヒーの淹れ方のことを指します。

^

その他のコーヒー フィルターを使用する利点

フィルターを通すことによって、コーヒーオイル(「ジテルペン」という成分が含まれており、コレステロール値を上昇させる原因とも言われます)の抽出されにくくなると言われています。

まとめ

最近では、フレンチドリップやモカエスプレッソにも使用できるフィルターがあります。専用のフィルターを使うだけで、ドリップのみでなく他の飲み方でもお楽しみいただけます。また、過剰に摂取してしまうと、カフェイン量なども心配になるかと思います。一日3~4杯を目安にお召し上がりください。

免疫力を高めるイタリアの伝統的な家庭料理とそのレシピ

免疫力を高めるイタリアの伝統的な家庭料理と簡単なレシピ イタリア料理は、その美味しさだけでなく、栄養バランスの良さでも知られています。特に、家庭で作られる伝統的な料理には、免疫力を高める要素が豊富に含まれています。この記事では、免疫力をサポートするイタリアの家庭料理の特徴と、簡単なレシピをご紹介します。免疫力を高め、健康を維持を手助けられるように、これらの料理を日常生活にぜひ取り入れてみましょう。免疫力を高める食材の特徴...